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色鉛筆での色塗りのコツ・混色について知ろう
色鉛筆は小さな子供でも色塗りに使えるものですが、表現方法を身につければきちんとした美術作品を仕上げることもできる画材です。
絵の具のように色を混ぜることができないので、たくさんの色を揃えることが必要だと思うかもしれませんが色鉛筆でも混色(色を混ぜる)による表現は可能です。
例えば緑色を塗る場合に、青と黄色を塗り重ねることで緑色になりますよね。絵の具のように完全に混ざった色にはなりませんが、こうして混色してできた色は単色の緑よりも独特の深みを表現できます。
また、塗る順番でも色味に違いが出るので青を先に塗って黄色を重ねるか、黄色を先に塗って青を重ねるかで表現できる色が変わるのです。
さらに別の色を塗り重ねていくと思いがけない色になることがあると思います。
始めは薄い色からためして色んな色の組み合わせで塗り重ねることを試してみてください。
どんな色を混ぜると、どんな色ができたかカラーチャートを作っておくと作品作りの時に便利です。色鉛筆を使いこなすには混色した時の色をうまく使い分けるのがコツの1つです。
綺麗に色塗りしたい!色鉛筆で塗るコツは順番を考えて塗ること
色鉛筆は文字を書く書き方鉛筆などに比べると消しゴムなどを使ってもきれいに消すことができません。
ですから、色鉛筆での色塗りは薄い色から順に塗っていきましょう。
全体に薄く色付けを行い、徐々に濃くしていくと全体のバランスを見ながら色塗りができます。はじめから濃い色にしたい部分や影の部分でも黒などの濃い色を塗らずに、明るめの色を薄く置いてから重ね塗りで表現しましょう。
特に影を黒や焦げ茶で表現してしまいがちですが、あまり強い色は絵を仕上げた時にそこだけ浮いてしまうことがよくあります。
塗り重ねで濃い色を表現すると周囲とも色が馴染んで見え、深みのある色になります。
色鉛筆では塗る順番がとても大切で、薄い色、明るい色の部分から徐々に濃く塗っていくというコツを覚えておくだけでも作品のイメージはずいぶん違って来るでしょう。
色鉛筆で色塗りするときは明るい色で塗って混色で重ね塗りを
全体に薄く色を置いて少しずつ濃い色の部分を強調していきます。この時、基本的には同系色や近い色を塗り重ねることで色のイメージを大きく変えずに濃くしたり奥行きのある色にすることができます。
黄色、オレンジ色、赤のような順で塗ると赤だけで塗るよりも存在感のある赤になります。また、青系で塗る時に緑系の色を重ね塗りすると青と緑の微妙な色合いになりますね。
では同系色ではなく、反対色を塗るとどうなるでしょう。
赤に緑、青にオレンジ色など真逆の色を混ぜると黒に近い褐色に近づきます。
つい黒で色塗りしてしまいがちな暗い部分をこうした重ね塗りで表現すると、素人っぽくない塗り方に見えると思いますので、是非試してみてください。
同じような暗い色でも塗り重ねる色の違いで温かみのある黒や軽やかな黒の表現もできます。
色鉛筆の濃い色は、仕上げに近づいてから引き締める部分に使うのがコツです。
色鉛筆で色塗りするコツ・グラデーションについて
色鉛筆は温かみのある柔らかい色使いができる画材です。
その特徴を活かすためにはグラデーション表現を覚えましょう。
グラデーションとは、色の濃さや明るさ、色合いが切れ目なく徐々に変化してくことです。グラデーションを効果的に使うと作品のレベルがぐっと上がって見えるので、色鉛筆を使って色塗りをするのなら覚えておきたい技法です。
グラデーションの表現にもいくつか種類があります。
・1つの色を使って濃さの変化によるグラデーション
・同系の複数の色を使うグラデーション
・全く違う色を複数使って色味を変えるグラデーション
グラデーションを塗る時に一番大切なことは、途中で急に色の濃さや色味が変化しないこと。あくまでも徐々に色が変化するように少しずつ塗り重ねるのがコツ。
画面から少し距離を置いて見るようにしながら塗るようにしましょう。
慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、グラデーションは透明感を表現するのにも効果的です。
色鉛筆を使った色塗りテクニック・平塗とハッチング
●平塗での塗り方
前項ではグラデーションの塗り方を説明しましたが、慣れないうちは簡単にグラデーションに近い表現ができる「平塗(ひらぬり)」という技法を使うのもいいでしょう。
多くの人は平塗という言葉を知らなくても、その使い方をしたことはあると思います。
鉛筆を傾けて芯が出ている先の部分を寝かせて紙にこすり付ける塗り方です。あまり力を入れずに、そして均一に塗りましょう。
力を入れると芯が折れて紙に跡が残ってしまうことがあります。
●ハッチングでの塗り方
「ハッチング」という塗り方は、たくさんの線を描くことで面を塗っていく技法です。平行した線を縦や横、斜めの方向に重ねて細かい網目のように描き込んでいきます。
グラデーションや平塗のようにふわふわした感じではなく、かっちりとした塗りになりますので、異なった質感の表現に使うことができます。
ここまでの説明で、色鉛筆にも使い方でいろいろな表現ができることはわかって来たでしょうか。
とても使いやすく身近な色鉛筆ですが、様々な技法を使って描いた作品は油絵や水彩画にも引けを取らないものに仕上げることができるのです。
優しさや懐かしさを感じる色鉛筆で素敵な作品を仕上げてみませんか?
色鉛筆の中には、後から水を使って色をにじませたりぼかしたりできる水彩色鉛筆というものもあります。
通常の色鉛筆でも油絵で使われるテレピン(溶き油)を使って色をぼかすことも可能ですよ。
興味があったら、是非チャレンジしてみてください。