生徒と教師のラインについて考えてみる。注意点とマナー

生徒と教師のラインは禁止されている学校が多い

面と向かってはなかなか先生に相談できないことでも、ラインならもっと気軽に相談できるのではないかと思う人も少なくないかと思いますが、生徒と教師がラインを交換したり、ラインでトークすること自体が禁止されている学校も多いようです。これは、ラインだけに限らず、生徒と教師が連絡先を交換して、プライベートなやり取りをすること自体が禁じられているため、同様にスマートフォンでのメールなどにも該当します。

若い世代の中には、普段から親しい友だちだけでなく、親や兄弟とすら直接会ってからあとで話せばいいようなことでも、ラインで済ませているという人も増えています。たしかにラインだと、何か伝えておいたほうがいいことがある時でも、後回しにせずにすぐに伝えたり、とりあえず急ぎではないけれど、伝えておいたほうがよいことを、後で見ておいてもらうために先に送っておくこともできますので、相手が忙しい時間帯かどうかを考えなくて済むというメリットがありますよね。

ですが、個人的に生徒と教師がラインでやり取りすること自体が禁止されている場合、いくら先生に連絡先を聞いたところで、教えるわけにはいかないという事情があるわけですから、あまりにしつこく聞きすぎると、先生に悩みを相談するどころか、逆に2人きりになるのを避けられてしまう可能性もありますので、注意した方が良いでしょう。

先生に個人的に相談したい場合は、やはり放課後などに時間を作ってもらうか、電話で相談するようにしたほうが無難かと思います。

生徒と教師のラインが禁止されている理由

スマートフォンやラインが普及する以前から、生徒と教師が個人的に連絡先を交換したりといったような、特定の生徒とのプライベートなやり取りをすること自体が禁止されていた学校も多いようです。教師は生徒たちをすべて公平の立場で扱わなければならないのが原則であり、たとえばそれが異性の生徒だった場合、特定の生徒とだけプライベートなやり取りがあると、たとえそこに恋愛感情などなくても、やはり保護者や他の生徒たちからも、特別な関係性があるのではないかと、疑われてしまう可能性が高くなってしまうでしょう。

また、それが自分が担任をもつ生徒に限らず、顧問として関わる部活動だった場合、好きな生徒にだけえこひいきして、レギュラーの座を与えたりしていると、勘違いされてしまう恐れもあるでしょう。

もちろん、生徒と教師間のラインのやり取りが禁止されていない場合は問題ありませんし、部活などの連絡用として、生徒からライン交換をして欲しいと頼まれたら、先生側としても断る理由はないとは思います。ですが、あくまでも生徒と教師という関係なのですから、友達同士のように気軽にラインを送るような間柄ではないということを、忘れないようにしなければなりません。

中には生徒と教師のラインがOKな学校も

今や高校生ともなると、クラスのほとんどの人がスマートフォンを持っている時代です。当然、先生の中にも普段からラインを使っている人も増えていると思いますが、もしも生徒と教師間でラインをする際には、距離感が近付きすぎないように注意が必要でしょう。

公立校では、生徒と教師がプライベートなやり取りをすること自体が禁止されている学校が多いですが、一部の私立校に関してはそこまで厳密に禁止はされていない学校も少なくないようです。そんな中で、気軽に先生とライン交換をしたばかりに、トラブルに巻き込まれるケースも少なからずあるのだとか。

生徒の側からしたら、先生に個人的に相談をしたりするためではなく、先生とのコミュニケーションを取る目的で、異性の教師とラインを交換する人もいるでしょう。生徒からしたら、それは特別なことではなかったとしても、相手は教師とはいえ、一人の異性であることには変わりありません。何かのきっかけで恋愛感情を抱かれたり、深い交際を要求されたりする可能性だって、けっしてないわけではないのです。

それはまた、逆にも言えることです。先生に対して恋心を抱いていたとしても、それをラインを使ってどうこうしようというのは、やはり問題があると思うのです。

たとえ生徒と教師間でラインすることに問題はなかったとしても、お互いの立場を理解したうえで、節度をもったやり取りを心がけましょう。

教師が生徒のライングループに入っている時のメリット

近年、ラインを使用するうえで問題となっているのが、ラインのグループ内でのいじめについてです。クラスや部活仲間の間では、全体が参加するグループラインにおいて、仲間はずれや陰湿ないじめを受けたことによって不登校になったり、自ら命を立ったという悲しいニュースをたびたび目にしますよね。

最近では、教師や保護者の目が届かないところで行われるいじめなどへの対策として、あえて教師が生徒同士のグループラインに参加するという話も、よく耳にするようになりました。こうすることによって、なにか生徒の間でトラブルが起きる前に、先にトラブルの目を摘んでおこうという考えなのだと思います。

さすがに先生が目にするグループラインの中に、あからさまにいじめにつながるようなことを書く人はいませんよね。ですが、中には先生の目を気にして、先生が参加しているグループの他に、先生には内緒で別の全体グループを作っている場合もあるかもしれません。ここまでくるともう、教師がラインを使って生徒たちの問題に介入しようとすること自体に、限界があると言わざるを得ないでしょう。

教師へラインをする場合のマナー

普段の友達や親などとのラインとは違って、教師に向けてラインをする際には、少し注意したい点があります。

まずは、マナーとして覚えておきたいのは、非常識な時間帯に一方的にラインを送りつけたりしないということです。深夜や早朝はもちろん、よほど特別な事情がないかぎりは、学校が休みの日にも先生にラインをするのは控えましょう。たとえ、他人には聞かれたくない個人的な話をするためであっても、それは教師という立場上、プライベートな時間を削って付き合ってくれているわけですから、極力迷惑にならないように心がける必要があります。

また、まだ先生とのラインのやり取りを始めたばかりのうちは、あまりに絵文字やスタンプをたくさん使うのは控えた方が良いでしょう。友達感覚でトークの中に絵文字をたくさん使うのは、さすがに失礼に当たると思います。
ただし、中には自分もよくスタンプなどを使うという教師もいるでしょうから、実際にラインをするようになってみて、先生からの返信の感じに合わせてみたほうが良いかもしれませんね。

上手に使えば便利なラインですが、使い方によってはトラブルの原因にもなります。生徒と教師が個人的にラインでのやり取りをすることに対しては、まだまだ賛否両論ありますが、お互いに節度を守って、便利なコミュニケーションツールとして活用していきたいものですね。